天下の東芝でさえ、不適切会計と原発の損失で債務超過に転落する時代。
いまや大多数の中小企業は「業績が低迷したままゾンビのように生きながらえている状態」といっても過言ではありません。
いつ訪れるやもしれぬ「倒産ラッシュ」に備え、倒産する会社の予兆や兆候をしっかり把握しておきましょう。
目次
社長の行動で見る「倒産の予兆」
会社の規模に関係なく、業績の大半は社長の経営戦略にかかっています。
同族経営の中小企業なら尚更です。
それゆえに倒産の予兆は何よりも社長の行動から判断することが重要。
「うちの会社、最近おかしいな」と思ったら、まずは社長やその親族の行動を再確認してみましょう。
- 銀行関係者との打ち合わせが増えた
中小企業の場合、社長や親族が財務・経理を一手に担っているケースが多いです。 - 社員を怒鳴り散らしている姿を良くみかけるようになった
- 社長を会社内で見かける頻度が極端に減った。(終日外出する日が増えた)
- 根性論・精神論を言い出すことが多くなった
- 占い師や風水師に相談する機会が増えてきた
占い師がダウジング棒を持って会社内を歩き始めたら赤信号です。 - 社長宛てに聞きなれない会社からの電話が増えた
増えただけならまだしも、断らずに取り次ぐ機会が増えてきたら要注意。 - 社員の営業会議に社長が参加するようになった
- 「イノベーション」などカタカナを使い始めるようになった
資金繰りが悪化して精神的に追い詰められてくると、結果的に怒鳴ったり精神論に走ったり、占いや風水など自分以外の何か特別な力に頼ろうとする行動が多くなってきます。いわゆる神頼みというやつです。
社長にとって会社にお金がないストレスというのは相当なもの。
まして倒産となれば負債が残るケースがほとんどですから、社長も必死になって倒産を阻止しようと動きます。
ただ、中小企業ならともかく大企業だと社長がどんな行動をしているのかなんて分かりませんよね。
その場合は職場や社員、取引先の変化に注意を払うことで兆候が見えてきます。↓
社内の変化で見る「倒産の予兆」
倒産の危険が高まるにつれ、社内の至るところに「以前と違う違和感」を感じるようになります。
- 給料の支払いが遅れたり、分割で支払われるようになった
給料の未払い、遅延、分割は倒産までの余命が数カ月である可能性が非常に高いです。 - 希望退職者を募るようになった
- 外注先への支払いが遅れるようになった
- 出張費が減額された
- 備品の新規購入・管理がうるさくなった
- 何をやっているか分からない名ばかり部署が増えた
- 人事評価のシステムが変更になった
- 経費を「認めない」と突き返された
- 商売繁盛のお札を貼るようになった
- 社内恋愛&不倫が横行した
売上が伸びているのにボーナスが支給されないのであれば、税金などの滞納や社長のお金の無駄遣いが背景にあるのかもしれません。
社員の変化に見る「倒産の兆候」
社長から始まる倒産の予兆は、徐々に役員から社員へと広がっていきます。
社長の行動を把握するのが難しい大企業では、役員や社員の行動の変化に注目することが大切です。
逆に中小企業では、社長の異変を察知した上司が同僚や部下に雑談を持ちかけてくることも・・・。
- 優秀な人が次々に辞めていった
社長が無能な場合、戦略に長けた優秀な人材ほど辞めていきます。
残った人材で会社を立て直せるのか、感情抜きで冷静に判断するべし。 - 長年勤めていた経理担当者が会社を辞めた
課長以上の経理担当は業績だけでなく役員報酬の未払いなどについても把握しています。(同族経営の場合は伏せられていることが多い)
そんな彼らがサラッと辞めた場合は要注意! - 会社内で不平不満や悪口が横行した
- 上司が常にイライラしていた
- 「経費を削ります」など後ろ向きな議題の会議が増えた
- 社員同士の懇親会などがなくなった
- ムダな会議が多くなった
- 「売上を上げろ!」が合言葉になった
- 上司のサービス残業が明らかに増えた
- 企業コンサルタントを雇い出した
取引先とのやり取りに見る「倒産の兆候」
倒産企業の傾向として圧倒的に多いのが「取引先の減少」です。
経営難に陥った東芝も、不適切会計が発覚してから1年半で取引先が4割減少したのだとか。
- 取引先が減った
- クレームが増えた
- 取引する商品などの量が極端に減った
- 「経営は大丈夫?」と先方に心配されることが多くなった
実は心配しているふりをして、探りを入れられている可能性も高い。 - 新規の取引先が取れなくなった
- 売り掛けを断られ、現金取引になった
先方から担保を要求されたり、決算書の開示を求められる場合はかなり危険な状態。 - 取引先への金銭要求を期日前にするように指示された
- 取引先が会社に来なくなった
- 取引先から接待を受けなくなった
- 取引先を接待しないと契約が取れなくなった
あなたの会社の経営状態に関する情報交換を取引先同士で行えば行うほど、連鎖的にあなたの会社への不信感が強くなっていきます。
取引先は一番シビアな指標あるといっても過言ではありません。